SOSHIOTSUKI が2026年秋冬コレクションを発表
2026.01.16

テーラリングの本質を問い直す、静かで実験的なアプローチ

LVMHプライズ2025グランプリを受賞した、大月壮士が手がけるSOSHIOTSUKI(ソウシオオツキ)が、PITTI UOMO(ピッティ・ウオモ)のゲストデザイナーとして、2026年秋冬コレクションを発表した。

「IN FLORENCE」と題した今シーズンは、テーラリングにおける細部の操作と、そこから生まれる身体との関係性に焦点を当てたコレクションを、イタリア・フィレンツェの舞台で披露した。

本コレクションの根底にあったのは、"ノスタルジー"という感覚への問い。実際には経験していない時代や情景に対して、なぜ懐かしさを覚えるのかという探求だ。テーラリングの専門教育や海外での修業経験を持たないデザイナー自身が、イタリアという“本場”に身を置き、その文脈を自らの視点で解釈し直す行為は、一種の逆輸入的アプローチともいえる。

その違和感とも言える"うねり"は、ピークドラペルやシャツの襟先に施したパターン操作やアイロンワークにも落とし込まれている。人為的なカールを与えることで、静的な構造にわずかな揺らぎを生み出し、オックスフォードシャツはバイアスカットによって仕立てられ、タックイン時に生まれるドレープを意図的に強調。実際に着る動きによって完成する表情が、デザインの一部として設計されている。

さらに今回は、複数のコラボレーションを通じてテーラリングの枠組みを拡張。アートと衣服の境界を横断するPROLETA RE ART(プロレタ リ アート)、スペインのシャツブランドであるCAMISAS MANOLO(カミサス マノロ)、創業1896年のGUNZE(グンゼ)、素材と表現を往復するアーティストのKOTA OKUDA(コウタ・オクダ)、そしてASICS Sportstyle(アシックス スポーツスタイル)とのアイテムを発表した。

テーラリングを特別なものとして誇張するのではなく、静かに操作し、観察し、未来へと更新していく。SOSHIOTSUKIの2026年秋冬コレクションは、その姿勢を明確に感じさせた。